第2回 技術講習会 2016年12月10日
「SSP会員の活動と撮影テクニックの実際」
2016年12月10日 会場:アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)
年末に開催した技術講習会には、約70名の参加があり、盛況の講習会となりました。今回は、SSPの若き実力派写真家(30代)の活躍を紹介する講演会としました。
また併せて、2016年より協賛会社として参画していただきました㈱マンフロットさんの会社・注目製品の紹介もお願いした技術講習会となりました。
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【2種3亜種の野生ゴリラを追う旅】
宇都宮恵介氏
動物写真と、それを取り巻く世界を撮影し続ける写真家・宇都宮恵介氏の講演は、2011年にアフリカのゴリラ撮影を企画した際のエピソードから。
◆宇都宮氏は、ケースケ・ウッティー名でfacebookをしています。
こちらもぜひご覧ください。
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【うごクモ~クモ撮影あれこれ、映像を中心に】
腰髙直樹氏
大学で映像CM制作を学んだ腰髙さん。普段は業務用ビデオ機材を駆使し、地域文化の映像制作、ネイチャー動画の制作をされています。そしてクモの魅力や撮影機材について等、体系的に5つのテーマで説明していただきました。
◆腰髙氏は、“平行植物の環世界”と題すブログで、クモの生態動画などを公開しています、ぜひご覧ください。
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【密やかな野生を追いかけて~森の多様な生命の世界~】
佐藤岳彦氏
大学院で森林動物学を修め、国内外の森林生態を撮影、発表し続ける写真家・佐藤氏は、小さな生きもの、見えにくいもの、危険なもの等、自然界の中でも見過ごされがちな「密やかな野生」に焦点をあて、森の生態系全体を映像表現している写真家です。
◆佐藤氏は、“Tef Tef Life”と題するHP で、森の生き物たちの生態写真を
公開しています。ぜひご覧ください。
◆佐藤岳彦写真集:“生命の森・明治神宮”
伊藤弥寿彦著・佐藤岳彦写真(講談社)3,456円
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【デジ一眼レフのライブビューモニターとして撮影・
設定変更の効率化が図れる“Digital Director”】
マンフロット(株)上原康充氏
2016年より協賛会社として、SSPの活動に賛同いただくことになったマンフロット㈱様には、同社が扱う様々なフォトサポート商品群の中から、マンフロット Digital Directorの活用法をご紹介いただきました。
◆Digital Director及びマンフロット各製品、お買い得品もある直販ストア等、詳細はマンフロット様のHPをぜひご覧ください。
SSP会員情報誌『SSP情報』82号より抜粋
撮影・文:日比野和範(セミナー委員会)
第1回 技術講習会 2016年5月21日
「注目の超望遠レンズの魅力に迫る」
2016年5月21日 会場:アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)
定期総会と同時開催の第1回技術講習会は、「注目の超望遠レンズの魅力に迫る」と題し協賛会社5社の協力のもと、海野会長・湊理事による機材レポート講演といたしました。開催に際しご協力をいただきました、オリンパスイメージング㈱田中様、キヤノンマーケティングジャパン㈱安藤様・小林様、㈱シグマ桑山様、㈱ニコンイメージングジャパン米岡様、パナソニック㈱井上様・大野様(五十音順)には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
以下、当日の講習会概要を紹介さて頂きます。
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シグマ 150-600㎜ F5.0-6.3 DG OS HSM
(コンテンポラリー&スポーツ)
今回は弊社の150-600mmコンテンポラリーとスポーツの2種類のご紹介です。前身の150-500mmがありましたが、モデルチェンジとして150-600mmを開発しました。皆様から防水・耐久性・軽いなどの要望がありましたが全ての同時に満たすのは難題ですので、それでは2本作ろうということで誕生したのが、この2本のレンズで、焦点距離・F値も同じですが、値段・重量が違います。値段に比例し画質を変える予定が、コンテンポラリーもうまくできあがり、画質の差は殆どありません。
防塵防滴重視であればスポーツ、手持ちで気軽に撮影であればコンテンポラリーというイメージで選んでいただければ幸いです。
ニッコール AF-S 200-500㎜ F5.6E ED VR
カメラは一世代古くても腕でカバーできますが、レンズはその焦点距離が無ければ撮れません、ボディの場合は安くても世代が新しければ画質が良いということが間々ありますが、レンズはセンサーと違い技術的には完成されている部分が多く、かなり値段に左右されます。AF-S 200-500㎜は、開放F値5.6一定で望遠域から超望遠域までをカバーする超望遠ズームレンズで、EDレンズの採用で色収差を抑え、高い光学性能をズーム全域で実現します。NORMALモード撮影時の手ブレ補正効果4.5段。動体撮影に適したSPORTモードも搭載し、電磁絞り機構による高速連続撮影時のAEの安定性で野鳥などの決定的な瞬間描写も可能です。
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パナソニック LEICA DG VARIO-ELMAR
100-400㎜ F4-6.3 ASPH
オリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED 300㎜F4 IS PRO
ようやくバリオエルマー100-400mmを出すことができました。この焦点距離にした理由は、ライカの評価基準が35㎜で800㎜迄しかないということがありこの焦点距離になりました。ライカレンズの特徴である中心から周辺まで殆ど解像力が落ちないというのが特徴です。田中さんからも話がありましたように超望遠になるほどレンズ内手ぶれ機構は有利です。ボディ内手ぶれだとボディの動きが大きくなっていくとレンズ内手ぶれをしないとしんどくなるかと思います。
我々のボディ内手ぶれ内蔵機種(GH8、GX7 mkⅡ)はDual.I.Sをやっており、CIPA基準より大きなぶれを補正できる基準で、車内などから撮る時でも大きな効果を発揮できる方式です。補正段数の表現ではありますが、ご自分の腕でぶれる段数範囲も決まってくるので実際にレンズを買われたときに実感いただければと思います。
300㎜F4 IS PROは、初めて商品名にISと付けています。オリンパスのボディ内手ぶれ補正は高い評価を得ていますが(E-M1=4段、M5=5段)、CIPA基準で100㎜相当の画角での補正表示ですので、望遠になれば条件が厳しくなっていきます。300㎜IS PROはレンズ内にも手ぶれ補正機構がありボディ内とシンクロさせ補正していますので600㎜相当の画角でありながら6段補正がポイントです。
私もテレコン付けて1/50で撮ってみましたがぶれませんでした。最短撮影距離で撮ってぶれませんでした(レンズ単体で0.48倍)。最短撮影距離で、5㎝位のトンボ全体を近接撮影できる接写能力があります。
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【ニッコールとシグマの最新超望遠ズームについて】
ニッコール AF-S 200-500㎜ F5.6E ED VR
シグマ 150-600㎜ F5.0-6.3 DG OS HSM コンテンポラリー&スポーツ
最近のレンズは、解像度が高いので単なる撮影用でなく種の同定・自然観察をするうえでも役に立ちます。研究者は双眼鏡を使い種の同定、給餌・捕食の餌の種類確認などをしていますが、これらの高性能レンズで撮影し、画像拡大することで詳細な観察確認が可能ですね。小さい鳥に逃げられずに、どこまで接近し撮れるかということですが、ホントウアカヒゲ(全長約14㎝)の場合、撮影距離7m位まで寄れました。好奇心・警戒心の旺盛な鳥で近接撮影しようと近寄ると逃げますが、鳥に興味が無いふりをして他の作業に専念しているときには目の前1m位まで鳥の方から寄ってくることがあり、撮影チャンスとなります。
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【オリンパス・パナソニック・キヤノンの最新超望遠レンズについて】
オリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED 300㎜F4 IS PRO
パナソニック LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400㎜ F4-6.3 ASPH
キヤノンEF100-400㎜ F4.5-5.6L ISⅡ USM
解像度や、描写がカリカリか柔らかさで選ぶかという好みもありますね。パナソニックのレンズは暗い割には柔らかいレンズです。ニコンは、かなりカリッとしたレンズです。キヤノンはズームですから多少柔らかい印象です。ズームレンズのキヤノンとパナソニックが似たような描写をして、単焦点のニコンとオリンパスが割と似たような描写をしています。
SSP特別セミナー 2016年2月6日
キヤノンEOS 5DS・5DSR トークショーの開催
開催日 :2016年2月6日(土)
開催会場:東京銀座キヤノンサロン
講師 :GOTO AKI 氏(SSP会員)
内容 :新製品EOS5DSと5DSRの優位性紹介とGOTO氏によるインプレッション
SSP会員情報誌『SSP情報』80号より抜粋
撮影・文:日比野和範(セミナー委員会)